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ゲームオブスローンズ最終章
※重大ネタバレあり注意

本作はジョージ・R・R・マーティン著のファンタジー小説シリーズ『氷と炎の歌』を原作としたドラマだが、原作は未完で本作のエンディングはオリジナルである。世界中で叩かれている本ドラマの最終章だがその理由を考えてみる。
長き夜
率直に言って脚本が雑すぎてシーズン8は最後まで微妙な気持ちで観てた。まず「長き夜」に関してだがデナーリスが困ってたのは北に援護に行ったらサーセイがその隙を突いてくる
という点だったはずだが、結果的にデナーリスとドラゴンの単機で救援に行き狡猾の極みであるサーセイは傭兵を都に引き入れたのみで満足して七王国で一番賢い設定のティリオンはサーセイに騙されてデナーリスからの信頼を失いジェイミーはサーセイの元を遂に離れてなぜか死の軍団と戦った。そしてブランは白目向いてるだけでの無能でさんざんカメラワークと音楽で煽ってたはずなんだが白目向いてる以外に特にこいつは何もしてない。ブランは囮という設定だったはずなんだが敵が城門→城の最奥という進路の為に囮って感じでも無かった上に夜の王を倒す為の最後の切り札がまさかのシオン!そしてほぼ無計画のまま夜の王に虐殺され無理やり死んでいく兵士たち…。ブランは最後まで白目向いるだけで何もせず、最終的にアリアのチート技で夜の王撃破。え?(アリア好きだからまあいいけど)。七王国で一番賢い男や諸国の名だたる名将たちが集まって秘策はまさかの「柵に火をつける」というね。
長き夜以後
王殺しが起こるまで300年続いたターガリエン家の七王国支配、ターガリエンはドラゴンの血筋を守るために近親婚を続けているのだからジョンスノーとデナーリスがくっつくのはまあ別に良いか?とか思ってたらシーズン7までで描かれた人物の成長がすべて消え去って突然全員がバカになった。
デナーリス
シーズン4で奴隷解放者として奴隷を解放して残虐さと慈悲を併せ持った稀代の女王であったデナーリスはジョンの血筋に怯えているだけの恋するヒステリー女に変化。約束を守る男ジョンスノーは秘密をサンサにバラしてサンサがティリオンにバラしティリオンが~となって呆気なくデナーリス陣営崩壊。王都の鐘を鳴らしたと思ったらデナーリスが怒り狂って子供や町民を大虐殺しだして(これまで積み重ねたデナーリスの成長とは…)闇落ち。怒りの根源だったはずのサーセイは放置したまま町民を殺し続けるwなんでやねんwwwwそして謎に「世界を解放する!」とか言い出して無理やり狂気キャラにされてジョンに刺されて死亡。雑すぎ。サーセイの伏線「デナーリスは狂王の娘!虐殺大好き!王都は死滅するうう!!」って嘘八百で諸国と民衆を騙してた設定どこいったw
ジョンスノー さっさと逃げりゃいいのに一人で残って雑魚散らしてただけの無能。そのせいでドラゴン1頭失ってるし仲間死にまくってるしこいつが人望ある意味がそもそも不明だけどシーズン6まではまあ分かる。とってつけた感が半端ない「実はスタークとターガリエンの子供でした」って設定でいきなり正当な王のポジションへ。血筋など関係ない落とし子が王の資質をもっているってのが良かったのに、ナイトウォッチ総帥の時は色々頭が切れて剣の腕もたつそれなりの有能だったのに、後半は雑魚散らすだけで結果的に無能純血サラブレッドだった。そして「女王に忠誠を誓った」を繰り返すだけの無能は何も出来ず後出しでデナーリスを殺しナイトウォッチへ。こいつの純血設定いるか?
ティリオン
七王国で一番賢い諸葛亮公明ポジションのティリオンは常にサーセイと出し抜いてきたんだけどここに来て「だたの良い人」になって頭の良さが1ミリも活かされないまま失敗失敗また失敗するだけの無能に。「俺は賢いと思ってたけど違った」ってデナーリスの手になった時言ってて「成長したんごねぇ…」って思ってたのに「本当に違って草wwww」だった。一番好きなキャラだったんだけど長き夜でも王都攻略でも戦略も糞も無いただの無能な良い人に成り下がってしまった。シーズン3くらいまでは軍師キャラでめっちゃ頭脳戦繰り広げてただけに何だかなぁ…
ジェイミー&サーセイ
長い夜の間何もせずヌクヌクとワインを飲んでいたサーセイおばさん。象が欲しかったのにぃ!とか謎の会話をしつつ長い夜の後は、ミッサンディをぶち殺し、町民を盾にする為城門の中に引き入れ、ドラゴン殺しも用意して、いよいよ完全なる悪役として頂点を極めつつあった。。。。。。!のだが、ドラゴン1頭に成す術もなく蹂躙され鼻水たらして逃走。最後は「死にたくない!」と叫びながら地下で城壁の下敷きに。ジェイミーはブライエニーをやり逃げして敵に捕まり、鐘も鳴らせず(鳴らしたんかな?)サーセイと共に死亡。無能すぎる。
スターク家
ブランは終始白目むいてるだけの無能。「僕は三つ目のカラスだ」を言い続けて、した事と言えばジョンの過去を暴いたくらい。しかも間違っててデブに指摘されて新たな事実が判明(笑)マジで無能。囮になったはずだったが座って白目むいてるだけ。サンサは常にデナーリスに嫉妬してるだけのウザキャラで成長も糞も無い感じかと思ったけどリトルフィンガー殺して「おお!成長したやん!」って思ったけど結局クズのままちゃっかり北の王にwwwwwwwww。われらがアリアは…サーセイ殺しに行ったけどハウンドに言われて逃げ帰って避難してた町民を無理やり連れだしてそのせいで親子殺されて馬と運命的な出会いを果たすも最終的にデナーリス睨んでるだけで終わった。おーい。そんで最後はなんと6王国の王に…。「僕は三つ目のカラスだ」どこいったw
ハウンド
一番成長が描かれてたかも。性格も突然変わったりしなかったし、心の変化の過程もよく描かれていて頑張ったおじさん。人殺しのクズがサンサを助け、アリアと旅して、ブラザーフットと旅して、様々な人で出会い、人の心を取り戻すが最後は復讐を果たして満足して死んだ。おつかれ。
まとめ
シーズン78は予算とスケジュールの都合で無理やり終わらせたんだろうけど、それにしても雑な演出だった。心の動きが全く描かれてないのも伏線も何もなく全てが「登場人物が脚本に無理やり動かされている」のがきつかった。群像劇と言えば三国志の「蒼天航路」始皇帝の「キングダム」とかファンタジーなら「十二国記」とかSFなら「銀河英雄伝説」とかいろいろあるけどぶっちぎりで雑。「個性や資質を無理やり失わされ無能化」されたデナーリスやティリオンやジョンは「愛は理性に勝る」で無理やり片づけられてしまった。別に短編ならそれもありかなーと思うけどシーズン8まで長々と描いて結局このドラマの結論は「愛は理性に勝る」だからなぁ。2時間の映画なら許せるけどこっちは100時間近く観てるんだからそれなりのカタルシス欲しかった。ドラゴンが鉄の玉座壊したところは結構好きだったけど「血筋では無く資質が王を決める」という点や、奴隷解放で描かれた「勝ち取る自由」も王国が崩壊して民主主義化するのかなと思ったら全部放り出してたし結果的にその体現者だったデナーリスとジョンスノーは物語から弾かれ白目全能風無能ブランと嫉妬豚サンサが王になって世界はスタークの手にって…なめとんか。
めっちゃ面白かっただけにシーズン8、特に8-5と8-6あたりの無理やり終わらせました感が残念な作品だった。「誰も予想できない」事が魅力だと色んなインタビューで観たけど「予想できなきゃいいのか」という。ティリオンの最後のセリフで「誰も幸せじゃない。良い妥協点だ」みたいなのあったけど、だとしても登場人物達にはもっと自然に動いてほしかった。怯えた兵士がデナーリスに矢を放ち結果的にドラゴンが暴走する、とか色々出来ただろw